大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和25年(ワ)3141号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(事實)

原告は「他から賃借居住している家屋の一部を被告に期間を三、四ケ月と定めて一時使用のために轉貸したがその期間は既に滿了した。なお、原告は右轉貸部分を自ら使用する必要があるので被告に對して解約の申入をした。」と主張して右轉貸部分の明渡を求めた。

(判斷)

裁判所は「一時使用のための賃貸借」に該當しないとし、つぎのように判示した。

「石毛(原告居住家屋の家主)は同人方に同居中であつた親類筋にあたる者(現在の被告の妻)と被告が結婚することになつたにつき三、四ケ月或は五、六ケ月位で立退くからといつて――

被告の爲轉借の申出をした事實が認められるのであるが右期間内に被告が立退き得るような事情は存在しなつたのであり、原告に於てもかかる事情ありと信じていた形跡もないのであるから、右申出はひつきようなるべく早く立退くとゆう程度を出でず原告もその趣旨で轉貸したものと認めるのが相當であつて、必ずしも原告主張の如く期間を定めた一時使用の爲の轉貸借とは認め難くむしろ期間の定めなき通常の賃貸借と認むべきである。」

(附記)しかし乍ら裁判所は前記の事情を考慮に入れて原告は解約の申入をなすについて正當の事由ありと認め、結局原告の請求を認容した。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!